なにごとも亜流

日々のぐるもや思考とか平凡・珍事などの記録

エモに関する反省

エモいとは何か、について正しく辞書的な説明をする力量はないのですが、

要は卒業式とか、桜とか、旧友との再会とか、懐かしの景色とか、そういう時の感情のことです。

なんていうか、人生においてまぁ、なくても、最悪、さいっあく、生きてはいけるものの

エモのいない世界など夏休みのない8月のぉよぉになってしまう、そんなものです。

なんでもないや。

 

そして私はしばしばこのエモモードになりますし、エモに浸るのが好きだったりします。

旧友との旅行、昔行っていたお店への再訪、あの頃聴いていたあの曲、昔の写真たち、

こんな感じのものでエモは膨らみます。

そしてエモい感情が膨らみに膨らんでしまいLサイズになった状態をエルモと銘打ったのが前回の記事です。

 

 

エモの化身エルモの愉快な生態

 

エルモはくさいです。

くさいことめっちゃ言いますしめっちゃ書くようになります。

高校の頃の学校祭の後に感極まって送ったメールには「くさーーーーい」とド直球に返された実績があります。「くさいこと言ってないで打ち上げやろうぜ」と言われエルモはロケットに縛り付けられ大気圏で焼け落ちました。

 

エルモは長いです。

たかぶった感情が赴くままに出力されるようになります。オチもないのにダラダラとぶちまけ続けるようになります。

話の構成を考え言葉を取捨選択する、自身が割と大事にしている脳の機能がこの時ばかりは2になります。

私の人生における最大級エルモ「卒業式の答辞」は、エモにエモが重なりもはや短編小説かぐらいの長さになり(答辞というのは読み上げる書を筆で書いて、最後校長せんせに納める必要があるものなのですが、それを書き終えた時はなんと朝で、そのままいざ卒業式、という人生初の徹夜をやってのけた)、

親から友達からいろんな人に「長すぎて感動が消えた」という本末転倒な感想を得るに至りました。

私の答辞にじっと向き合う立ち位置の校長せんせは後半クッキーモンスターみたいな目になってました。

 

 

ですから前回の記事、

パンケーキを食べに大学の頃の街を訪れたというたったこれだけでエルモが召喚されたものですが、

これまた大層くさくて長い、ニラのような記事になってしまったのですが、すみません。

自己満足してるんだろうなと笑ってやってください。書いている時はエルモなので感極まっているわけです。

大学通りセサミストリートとなったわけです。

???

 

 

ちなみに、エルモ状態で最寄駅に帰ってきたらなぜか改札前でカップルが壮絶な喧嘩してて彼女さんが絵に描いたような平手打ちを往復でばしばしキメていて

エモは即ビッグバードとなり夜空に飛んで行きました。

 

 

あ、更にちなみにその最寄駅で、

まさかの大学時代の後輩とばったり会いました。

はいエルモ〜。

 

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街の新陳代謝

今私はこの文章を、大学時代を過ごした街のスターバックスで書いている。

 

卒業以来この街には、その地理柄、数えるほどしか来ていない。

今回も本当に久しぶりに来たため電車降りた時点でエモいし、

来た理由も学生時代の思い出深いパンケーキ屋さんの閉店を聞きつけたからということで既にエモいし、

ちょうど桜の散り際の頃なのもエモくて

もうエモがLサイズに膨れ上がっている。

エルモである。

 

再訪して感じたのは

(ごく当たり前のことで、斬新さとか独特の切り口!とかないのだけれど)

この街はあの頃と変わらず迎え入れてくれるなぁと、

とはいえ細かなところまで目をやると結構変わっているなぁということである。(…や、細かなところだけじゃないかも、結構大胆にぶち変わっているところもあるね…)

さすがに卒業してそれなりの年月が経っているので当然なのだが。

 

 

在り続ける老舗、回転するカフェ

私の大学はOBOGとのつながりが濃い。

学部が偏っているので卒業生の進路も大体収斂することもあるが

そもそも小さな大学で母数が少ないのもあり、さらに牧歌的な校風を引きずってか、同窓生を見つけるとお互いそれなりにテンションが上がる。

そんな場面では同窓トークに花を咲かせるのだが、

先輩にとっての飲みの定番だったお店が僕ら世代ではもうなくなっていたり、

私たち世代にとってのそれが後輩世代でなくなっていたりということが結構ある。

従ってこういった場面ではどの世代も知っている悠久の老舗が話題になる気がする。大学のOBOGのFacebookページに上がるのもこういった悠久の老舗関連が多い。

 

今回巡ってみても、やはりそういった悠久の老舗は例に漏れず街にデンと構えていて、あの頃と同じ空気で迎え入れてくれる感がある。

私自身青二才なりにそれなりの年輪を重ねている中で、「世代を超える」の重みがそれなりに分かってきた気がする。初めてその重みが頭ではなく腹のレベルで分かった気がする。

あと、類義で行けば毎年変わらず美しいこの街の象徴たる桜もこの立ち位置なのかなと。

 

 

一方で、ちょうど私たちが在学中にのみ存在していたお店に係る同年代とのトークもそれはそれで希少感にニコニコしてしまう。

このお店の話ってこの世代しか伝わないなー的な。

今回閉店してしまうそのお店も私が在学中にできたもので、スパンとしてはそれなりに長いが、ここが閉店するとなった時、この街の非チェーンMyカフェリストのストックがなくなってしまった。カフェ系はやはり回転が速い。

 

ごく一部の期間だけ存在していたお店を共通項として見出した時、それはなんというか、

あの街の「あの時」を共有していたことを、いやそれは同級生なり近い先輩後輩なりなので当たり前なんだけど、当たり前すぎて潜在意識に沈んでいるその事実を、ぐいと改めて感じさせてくれる事象である。

中学卒業の時の「これだけたくさん人間がいる中で、この中学で同級生として過ごし同じ思い出を共有してきたって、これ奇跡じゃん」という旧友のとても素敵な言葉が、自身の古い書庫の中から引き出される。

 

 

一人だけど独りじゃない

街を歩いたりカフェの大通り沿いのテラス席でぼーっとしたりしていると

「誰かに会いそう」というソワソワ感が頭の片隅、心の底…いやもっと端ですねうーん腎臓の横あたりかな?に見え隠れする。

しかし冷静になってみると、あの頃のみんなはもう誰一人この街にはいないということに思いが至りなんだか寂しくなった。(地理的に、社会人になってなおこの街に住まい続けるのはかなり稀有な例。街を選び取っているか、配属における運命のいたずらか。)

塾講バイトをしていたので、あの頃の生徒と鉢合うかも…なんて一瞬思ったものの、そんなことはほぼあり得ない生徒たちも年齢的には立派に大学を一巡し社会に出ているのである。当塾の社員さんも間違いなくローテーションで今は別のところにいるだろう。

あぁでも大学の教授はいるよな!とか苦し紛れに思ったものの、大学時代後期に大変お世話になったゼミの教授は別の大学につい最近移られたのを思い出した。(幸い、変わらず大学にいらっしゃる、大学時代前期に大変お世話になった別の教授がいたので、完敗は免れた、という格好である。)

 

とても馴染み深い街なのに、今この街には知っている人は(ほぼ)誰一人いないのだな、というのは不思議な感覚だ。

歩いていると、やれあそこであいつがどうしただの、あの子とこの子とこういうことあっただの、そういうものが次々フラッシュバックするため、不思議と孤独を感じない。昔居たところへの再訪あるあるなのだろう。

 

 

変わらないもの、変わって然るもの

これは、平成が終わることにかこつけて同級生と母校の高校を訪れた時にも感じたのだが、

あなたは確かにここにいたのだよ、ここはあなたの港なのよ、という声と

ここはもうあなたのいるところではないのよ、という声が

同時に聞こえる。

 

大きくは再訪を祝してくれている感を得る一方で、

細かな点になってくると、あの頃のアタシとはもう違うのよ?ということをグサグサ見せつけられる感じ。

あと、コロナ禍なのでキャンパスは関係者以外立入禁止になっており、

OBながら入校が叶わなかった悲しい顛末も、後者の声をより強くした一因かなと思う。校舎だけに。

……。

 

こんな相反する気持ちが溢れる場所というのは人生においてもなかなか限られるのではないだろうか。生きるという「流れ」の中で、こういう場所、そしてその場所を「共にした人」、というのは変わらず大事にしていきたいと思う。

 

 

・・・・・・

この春から私自身、心機一転、新たな環境に踏み出した。

そういう踏み出しのタイミングで、ある意味自分を形成したと言って差し障りないこの街に立ち戻ったのは(パンケーキ食べたい↑↑から始まったものだけど)良い試みになったと思う。

無知で、荒削りで、でも未来への希望と勢いのみ溢れていたあの頃の私、そしてその私を全て知っているこの街。至る所にかつての私の(そして前述の通り同じ時を共有した「私たち皆々」の)影を感じるこの街。

確かに時が流れ、あの頃に比べれば確実に歩みを進めていることを気づかせてくれたし、一方で、初心忘れずということ、変わらない土台と芯のようなものの大切さにも思い至らせてくれた。

 

今後も変わらず、順調なことも、立ち止まることも、どちらが前か分からなくなることもあるだろうけれど、

こうやってたまにエモに浸りながら、それでもエモに吸い込まれて自壊しないように、面白く流れていきたい。

 

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ドヤ顔と呪術廻戦 2/2

過剰なドヤ顔は呪いとなって何かを壊す、という話の続き。

 

前編:

 

aryu-02.hatenablog.com

 

 

 

記録2 洗濯機

先輩が、ずっと使っていた洗濯機を廃して新調することになった。

引越しをするとは聞いていたが、引越しに伴い古くなった家具家電を一掃して買い替えることになったそう。

そして引越しが終わりしばらくして、新しい部屋には間取りの関係で不要になったカラーボックスを譲り受けることになった。

新しい季節、新しい街、新しい家。待ち合わせ場所に現れた先輩は新生活の喜びを身体中に纏い春風に吹かれとても爽やかに登場した。

 

近況話をひとしきりした上で新生活の話になった。すると先輩が熱を上げ出したのが、洗濯機の話。何でもこのたびドラム式洗濯機に改めたそう。汚れの落ちもよく、洗剤柔軟剤も自動投入で、乾燥機機能もついていてタオルなんかフッワフワになるそうだ。乾燥機能つきだから天気時間関係なく洗濯回せるし、何より「干す」「取り込む」という手間がなくなる。たて型の中古洗濯機をずーっと使っていた私からしてもその便利っぷりは容易に想像できて心が踊る。

そしてひとしきり、まくし立てるようにドラム式の話をやりきった先輩、

 

「人生変わるよ????」

 

ドヤァアアアアアアアアア

 

 

う、うわぁああああ!!!!!!

 

あ、いや、そんな……そんな目ぇかっぴらいて、口めちゃとんがらせて、髪の毛逆立てて、そんな……浦沢直樹の絵みたいになってます先輩!!!どしたんすか急に……!!!!わ、ワンモアコーヒー持ってきます?

 

ドラム式洗濯機がすごいものなんだということは、前述のジャパネットばりの緩急ついたセールストーク(売る気はないはず)で伝わりきっていて、実際私自身も中古のタテ型だし買い替えアリだなぐらいまでの前のめりになってはいたのだけれど……先輩……さっきまで春風の中めっちゃ爽やか先輩だったのにどしたんすか……顔力凄過ぎてかっぴらいた毛穴のひとつひとつから呪力出てた。たぶん特級呪霊。両面宿儺。ワンモアコーヒーを差し出す小僧。

 

先輩は多分そんなつもりはなかったとは思うのだが……(てゆか人生変わるはさすがに盛ったろ……)……あのドヤ顔……すんごいドヤ顔が今でもこびりついていて漂白しても落ちない。多分貰ったカラーボックス経由で私に深く取り憑いてる。カラーボックスは捨てた。

 

 

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その後、私も最近になってついにドラム式洗濯機を購入するに至った。

 

これまた大きなお買い物なので、コスパよく、でも品質に妥協したくなく、様々電気屋をめぐると、どこも丁寧に接客してくれる。もちろん、いろんなボタンなり外装なりと加え、必ずドラム内も見せてくれる。するとドラム内には必ずあの呪霊がいて、

 

「こちらHITACHIのモデルになってまして、ガチャ(ドラムのドアを開ける)

「人生変わるよ????」

 

東芝はウルトラファインバブルが搭載されていてガチャ

「人生変わるよ??????」

 

SHARPは何よりプラズマクラスターが他メーカーと違う特色となっておりましてガチャ

「人生変わるよ?????????」

 

「こちらはドアが両開きのモデルになっておりまして、右からもガチャ

「人生変わるよ?????????????」

「左からもガチャ

「人生変わるよ?????????????????」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やめてくれぇぇぇぇぇ

祓ってくれぇぇぇぇぇぇぇ

 

 

 

ドラムのドア開くたんびにあの先輩のドヤ顔が中からこっちを見てて「人生変わるよ」ってドヤってくるの怖すぎ。助けて乙骨クン。

 

 

記録3 コート

久しぶりの帰省で、これまた高校時代の旧友C、Dと再会したときのこと。

なんだかんだ社会人になると集まる機会も限られるようになり、

しかもこのコロナ禍でなかなか大々的に集まれないご時世の中で、かれこれ2年ぶりくらいの再会。

カフェに入りコートを脱いだとき、

C「そのコートいいね!」

私「えーありがとう!最近買ったんだよねぇ」

C「あーコートで思い出したんだけど、何年か前の同窓会でもコートが目に留まったことがあって、その時のことめちゃ覚えてるんだよねー。誉めたら、あぁ、これ?Tomorrowland!ってめっちゃドヤ顔で。あれ以来Tomorrowland見るたびに思い出しちゃうんだよねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、やってました♨️♨️♨️

 

 

 

私は無意識のうちにトゥモローランドの呪いをかけてしまったようだ。それ以降Tomorrowlandを見かけるたび

トゥゥモロぉォランドォォドヤァアアアアアアアアア

がよぎる仕様にしてしまったのだ。なんて哀れな……

ちなみにその日褒められたコートもこれまたTomorrowlandでもう一発呪いかけたぽい。外道ならぬ夏油でした。ごめんなさい。

 

 

 

 

「誇りたい」「ドヤりたい」という欲求は誰にでもある。

しかし、過剰なドヤはときに強烈な呪いとして周りにとんでもないトラウマを与え、その後の人生にも大きな影響を及ぼしかねないことには留意しなければならない。

 

 

映画大ヒットとアニメシリーズ第2期制作決定、おめでとうございます!

ドヤ顔と呪術廻戦 1/2

どや‐がお〔‐がほ〕【どや顔*】

《「どや」は「どうだ」の意の関西方言》得意のこと。 自らの功を誇り「どうだ」と自慢している

出典:小学館デジタル大辞泉

 

人には何かを「誇りたくなる」瞬間がある。承認欲求が目に見えるかたちで渦巻くSNS全盛期のこの社会において、コロナ禍の塞ぎ込みがちなこのご時世ならなおのこと、数少ない自慢のタネを萌芽させて誰かの眼前で花開かせたいと思うのは至極人間的であると思う。この憂世において、誉められる、賞賛させるという経験はやっぱり追い求めてしまう。時には自分が自慢をし、時には誰かの自慢を賞賛し。もちつもたれつ。誇りつつ誇られつつ。

 

「誇り方」もさまざまではある。現代的なもので言えばインスタとかで多方面に投げかけることもある。もちろん、対面で、きいてよぉ↑↑的なノリで誇ることも、廃れることない古来からの伝統的誇り方である。その際はSNSに比べより間近に、ホコラーの方の熱量をホコラレー側は受けることになる。言葉然り、声色然り、温度感然り、そしてそう、「顔」

 

ホコラー側からすれば、自慢をふりまいたところでもう満足は満足であるし、誇りつつ誇られつつのこの世界、大概の良識ある人はホコラーが誇っているところを邪魔したりしないし(大概の良識ある人は。)、ホコラレー側がマイナスの感情となることは、対人関係の受け身の取り方を自然と習得していればまぁないとすれば、全体総量で幸せはプラスである、はず、なのだが……

 

今回は、ドヤ顔によって壊されるもの植え付けられてしまうものがあるのだ、という話。

 

 

記録1 お財布

話は大学時代にまで遡る。

東京で大学生していた私だが、地方出身であり高校の同窓生は全国に散っている。特に地方公立進学校あるあるの、妙な国立公立信仰ということも相まって(いまだに謎なんだけどこの信仰は一体何から来ているの?公立出身はずっと公立で生きていけ!そして俺の継ぐ子となれ!みたいなのがあるの?)、進学先は全国に及ぶ。

 

そんなわけで全国に遊びにいくツテができるのは面白いところではあるのだが、例にも漏れず私も長期休暇を利用して、同窓生に会いに福岡に飛んだ。

 

旧友A、Bとの久しぶりの再会に喜びもひとしお、喜びを分かち合った後で早速居酒屋になだれ込む。地のものが食べられる、しかもハタチ越えてまもないタイミングだったのでおぼえたてのお酒も楽しめる、そしてそんな酒の席を、酒なんてものが存在しなかった高校時代を共にした旧友と囲むことができるというわけでワックワク。

近況報告、たわいもないキャンパスライフのあれこれ、永遠に肴にできる思い出話。何を話したかなんて今となっては中身を憶えてはいないけれど、お酒も手伝ってとても充実した時間を過ごすことができた。さぁ2軒目いこう!

と、お会計になった時である。Aがニヤニヤしている。

A「きいてよぉ」

私「どしたん?」

A「この財布!」

私「財布?」

A「買っちゃったんだよねぇ〜、

ポオォルスミスゥ

 

 

ドヤァアアアアアアアアアアアアアア

 

 

……確かに公立大学生にとっては、ポールスミスはちょっと憧れのブランドだったりする。ウサギとかシマウマとかいろんな動物のロゴは全部おしゃれ可愛いし、ポップな色使いもおしゃれだし、何ならもうPaul Smithってあの書体もおしゃれ。あの書体ならSuihankiでも多分おしゃれ。誰もがあの書体で進研模試解こうとしたことあるはず。私はない。

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バイトで貯めたお金でついに買ったという涙ぐましいエピソードと共に披露されたPaul Smithの財布は確かにお洒落であった。他のブランドでは中々ないんだろうな〜という配色。そしてなんか動物あしらわれていた。何かは忘れた。しかし。しかし。。。

 

ドヤ顔が。すごかったの。なんか。うん。すごかったの。本人はそんなつもりなかったかと思うんだけど、すごいかったの。すごいかったって何だよ。すごかったの。ドヤァアアアが。もはやAがAではなくなっていたレベル。何かに取り憑かれるんじゃないかレベル。これ呪い?呪術廻戦?

 

面白いもので、横で聞いていたB的には何も思わなかったようで、この呪霊はドヤ顔を真正面で受け止めた私にのみ襲いかかってきたようだ。

 

ものすごい速度で酔いが覚めてしまったけど、「い、いいじゃんめっちゃお洒落!!!」とホコラレーの鏡的なリアクションをし、2軒目に雪崩れ込んでその後は何ごともなかったように楽しく飲んで飲み過ぎてもつ鍋をもつ鍋して翌日帰京した。

 

 

しかし、この深すぎる呪いは今でも私に取り憑いている。

 

今でも百貨店とかでPaul Smithの売り場が目に入るたび、

ポオォルスミスゥ

 

誰かがPaul Smithの小物とか使っているのに気づくたび

ポオォルスミスゥ

 

後輩「彼女へのプレゼント悩んでるんですけど、例えばPau」

ポオォルスミスゥ

 

と、あの声とあのドヤ顔が浮かぶ仕様になってしまった。

 

数年前、上野でPaul Smith展をやってた時とかもう百鬼夜行でした。我ながら、とんでもないものを抱えてしまった……。

 

Paul Smithがとても素敵なブランドというのは間違いないのだが、私の中で何かが壊れた、とでもいえばよいのだろうか。

 

つづく

ブログ開設のためiPad買いました。ん?

今回のブログ開設について。

ブログは実は大学時代にもやっていて、それ以降云年ぶりの復活である。

しかし、なんならネタになりそうなこと(=ナカメグロォォ)をニヤニヤしながら書き殴ってストックしていたこともあり、なんだかんだ心の中では、いつか、いつか……とあたためていたんだなぁと改めて思う。

 

就職して業務用PCが与えられお仕事が日々の大半となってくると、プライベートでパソコンを使う機会はほとんどなくなり、持っているノートPCは卒論を爆筆して以降は使用頻度は格段に下がり、日本の超高齢化社会の潮流に漏れずPCはどんどん歳をとっていく。しまいには文字入力もおぼつかないくらいのご老体になっていて、PCがないならブログなんざ無理じゃんね……という言い訳にならない言い訳を何処か自分に言い聞かせて、結局ブログ再開は構想の域を出ないままであった。

 

しかしここにきて転機が。

 

ひょんなことからAppleWatchを手に入れたのです!!!

そして私の中のApple熱(?)が、静かに、しかし確実に大きな完熟リンゴとなって渦巻き、ある朝ふと思い至ったのです。

 

 

「そうだ iPad、買おう。」

 

 

危うく京都行きののぞみ予約するところだった。ちゃうちゃう。JRとちゃうどすえ。

 

長年、「なんとなくのiPhoneユーザー」であったところ、

この度AppleWatchを手に入れ、Apple Musicにも加入済み、冬は林檎をよく食べ東京事変を聴きビートルズではリンゴスt(略 な私に足りないもの、そうなるとMacbookな訳だけど、

ここ最近どっぷりハマっている読書スタイルたる「電子書籍」のリーダーを兼ねたい、スタイリッシュに持ち運べるノートPC的なものにオールインワンにしたいということで、

MacbookではなくiPadに手を出すことに。書籍好きなのにbook買わずってか!!!ごめん一杯飲むわ。

ちなみにご老体PC(東芝製)には無駄にAppleのリンゴシール貼ってた。結構ウケた。てゆかAppleコンプレックスっていじられた。ジョブズみたいな眼鏡してんのにな!!

 

タブレット+キーボードという、ノートPCとは一線を画するアレンジには昔から憧れがあり、

ここにきてブログを再開したい欲とも共鳴して完熟リンゴはバーモントカレーとなって溢れ出し野を覆い大地を焼き尽くした(??)。

 

すなわち、

iPad買ってブログ書く!!!!!

という一大決心がここに固まった。卵が先か鶏が先か。

 

 

買うまでのところ

しかしそれなりに大きな買い物にもなるし、これまで東芝PCリンゴシール付 =Windows PCを使っていた身からするとこれは大転換である。というわけでリサーチに勤しむ。

 

ふむふむiPadには無印、Air、Pro、Miniがあって、多分Proは本当に玄人が使う世界のもので…

 

プラス今回の目的上必須となるキーボードも、無印だと使えないキーボードとかもある、Apple純正だとそれなりのお値段かかるからlogicoolとかでコスパ良いやつも出ていて…

 

文書書くための環境としてはMiniだとMicrosoft  Officeがタダで付いてきて、でもまぁ当然画面が小さくて…

 

でもAirとかでも文書作成アプリは結構あって、iOSのPagesとか、ブログ書くならBearsというアプリとか(結果これを今使ってる)もあるんだな…

 

と、ネット記事なり、Amazon  Unlimitedでたくさん出ている『ゼロから始めるiPad』的な本を読み漁り知見をためる日々。

Amazon Unlimitedてこういう情報収集にとっても向いていて、サブスク代払えばそれなりの分量の本からサクサク情報が手に入るからとても良い。おかげさまで色々と見えてきて購入プランが具体的になる度、Amazonのロゴみたいにほくそ笑んでしまいますね。さっきまで完熟リンゴだったのに今は熱帯雨林の虜です。一回ピラニアに食いちぎられた方がいい。

 

 

…………とか何とか言って、実際のところは、

 

 

買うことの先延ばし

 

 

してた。だって怖いもん、でかい買い物だし。

 

何より、今までWindowsくん一筋だったところ、ついに窓をかち割るわけです。窓ガラス壊して回るわけですよ?尾崎豊じゃん?ビルゲイツ泣いちゃうよ?涙したタルゲイツだよ?え、なんて?

というわけで慎重に丁寧に情報収集をし、石橋を叩いて渡るように窓叩いて壊すに至る。

 

 

買いに行くところ

ついにXデイは訪れた。快晴。群青日和。新宿は豪雨。うそ快晴。

買う。買う!!買う!!!!!!

 

前日くらいまで、流石にProはないだろうとは思いつつもiPad界隈でもどれを買うか迷って悩んでいたものの、思い切って

 

イイやつ買う!!!!!(=iPad Air

キーボードも純正のカッコいいやつ買う!!!!!!(=Magic Keyboard)

 

ということに。

 

しかしまたここにきて慎重に慎重を重ね、豪雨(快晴)の新宿の電気屋さんに在庫確認のお電話。

ビックロはキーボードがないとのこと。

はぁ。ビックロってもうそろそろ東京新宿「新名所」ではないと思うんですよ。あと、家電と服、抱き合わせで買ったことほんと一回もない。あとあのビックロオリジナルのキッズが歌う謎ソング無限リフレインまじで頭ヒートテックになる。以上はキーボード欠品へのガッカリから来る何かです、ごめんなさい。頭冷やします、もとい頭エアリズムします。

 

ということで電話で在庫有の確認ができた、新宿西口駅前のヨドバシカメラに、真ん中通るよ中央線でいざ参る。新宿は!!豪雨!!!!!(まごうことなき快晴)

 

すでに買うもの(iPadとMagic Keyboard。純正。純正。純正。)も、色(群青日和なのでスカイブルー)もがっちり決めていたため、ヨドバシカメラではスムーズすぎるくらいさっくり購入完了。カードきると買い物はこんなにも軽い。

途中ヨドバシ営業マンからお家のネット環境どうですか云々、ソフトバンク光云々の話があった気がするけど脳汁が濃縮還元リンゴ100%だったのでよく憶えてない。

兎にも角にも、ついに!iPadを!!手に入れたよ!!!林檎さん!!!!!!

 

 

買ったあとのところ

こうして豪雨の新宿(快s)から帰路についたところで、その日は「買う」に全集中してしまったためHP ゼロになり就寝。そして翌日、ついに、開封の儀。の前にテーブルに並べてみる。

 

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ンぁああああがっごい゛い゛い゛い゛

 

Apple製品のこの感じ(語彙力)、デザインした人って何者なの??この箱の感じとか、箱の感じとか、箱の感じとか!!!!!

 

 

 

 

あ……

 

 

 

 

 

 

あけるのが惜しい…………

 

 

 

 

 

(3時間経過)

 

 

 

 

そうそう、iPadを買った時に、スクリーンに貼り付ける保護シートと、

何なら背面につける保護シートを買ったんスよね。これらって貼り付けるの結構大変ですよね。気泡入らないように端から丁寧に時間かけてやらなきゃいけないし大変ですよね、

 

 

 

 

iPad開けて感動して30分)

 

 

 

 

(接着に1時間)

 

 

 

(3時間経過)

 

 

 

そうそうキーボードとiPadを接続してみよ、わ、すごい磁力でくっつくんだ!充電とかしてみよう、わすごいキーボード経由で充電されるんだ!!

 

 

 

そしてデスクトップ…あちがうそれウインドウズだわゲイツ黙って?、トップ画面に諸々のアプリ仕入れて、ヴィジェット!?なにこれすごい綺麗にトップ画面に便利機能配置できるんだ、iPhoneより柔軟に設定できるんだなぁ〜便利だなぁ〜あ洗濯乾燥終わったわ畳ま

 

 

 

 

ブログ書けよ!!!!!!!!!!!!(リンゴ大爆発)(リンゴこっなごな)(アダムとイブどん引き)(リンゴ驚くべき速度で朽ち果てて土に還りearth music&ecology)

 

 

 

 

Apple supernovaを経て言いたかったこと

「ピークの持っていき方」ってあると思うんですよね、物事には。

最終目的とか最終目標といういわば山頂があるにしても、そこに行くまでに五合目、八合目、それぞれにイベントがあったりするわけですよね。

今回のケース、完全にiPad購入の瞬間ヨドバシ定員ネット勧誘ガン無視のタイミングがピークであり、iPadの箱を自宅テーブルに並べてニチャニチャしている瞬間がピークであり、ということになってしまったわけです。八合目でご来光見ちゃったわけです。

こうなると面白いもので、本来の目的=iPadを買ってブログを書く!を達成する前になんんんんんんんかどうでもよくなるというか、萎んでしまうというか、ということが起きてしまった(まぁ今回はiPadを買うこともひとつ大きなピークたり得るイベントで、ピークが2つの難しい登山であったのは否めないが……)

結果、このブログの記念すべき第一回の記事は、なんと2年前に蔦屋書店後にニチャニチャしながら書いた、はるか遠くのものの引っ張り出し、になってしまったのだ。なんてこった。

 

何事も、本来の目的・最終目標を果たす前にピークがきてしまうということがあり、その後にモチベーションを復活させるというのは至難の業である。ピークをきちんと持っていくというのは非常に難しいながらとても大事なことなのだなぁと、割れた窓からの隙間風に吹かれながら朽ち果てたリンゴを片付けながら思うのであった。

エッセイブームの到来

最近エッセイにハマっている。

そもそも今回のブログ再開に当たっても、このマイブーム・エッセイという潮流は少なからず影響している。

 

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きっかけといえば、なんの気なく転職サイトに登録したら「受けてみませんか?」と某KA●KAWAさんの中途採用からお声がかかったのがはじまり。

予習がてら●DOKAWAさん肝入りの所沢さくらタウンに赴き、

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俵万智展とかYOASOBIが紅白で夜に駆けてたところとかを堪能した後に、

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同施設内の本屋でたまたま好きな声優である櫻井孝宏さん(ミーハーどころだと鬼滅の義勇さん)が表紙を飾った雑誌が目にとまり、

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それがこれまたKADO●WAさん看板雑誌ダ・ヴィンチで、雑誌内に当の櫻井さんはじめ星野源さん・松下洸平さん・弘中綾香アナ・そして長濱ねるさん!!!!などなど数々のエッセイが連載されており、読んでみたらこれがとっても面白くて、しかもダ・ヴィンチAmazon Unlimitedで毎月読めるってわけですっかり読み耽ってしまったという事の顛末。

ちなみにKADOKA●さんはこんなあっさい予習ベースで揚々と臨むものの、一次面接で引くほど振るわず見事玉砕。近しい業務経験もあったのに全く武器として役立てられず。

受けてみませんか?と言われた手前なんかほんと逆にすんませんでした。

 

とはいえ読み物のジャンルとしてのエッセイに魅了されたのはこの会社との出会い(片想い?)が始まりになっているのでとても感謝しています。これからもいち消費者として、ダ・ヴィンチは購読していきます。 あぁ悔しい。

 

******

 

大学時代はよく小説を読んでいた。友人から「これを読んで女性のちょっと毒々しい生々しい部分を少しは知った方がいい」と勧められた唯川恵にはじまり(ちぢみ上がったハタチの少年)、みんな大好き伊坂幸太郎、女性の毒々(略 で読み出した江國香織、自身と同じ背丈で眺めた青春の彩りが快い朝井リョウ、そいてインテリ大学生の厚みを増すべく手を出した種々の文豪たち(漱石、太宰、芥川etc…)の名作 (の1番有名どころ)……。

中でも大学生活後半ごろからは村上春樹がマイブームに。パクチーよろしく好き嫌いがはっきり分かれる当著者の作品は例外なく珍味、かつ私にはとても美味。

とはいえホットケーキにコーラかけて食べるなんて勿体無いことはできない、毎年ノーベル文学賞発表になんらか別の世界線を想起することもできない、いたって凡庸なレベルのファンとしてである。なんだろうあの独特の世界観。どの作品でも大概、熱いシャワーを浴びて、レタスのサンドイッチ作って食べて、何らかのレコード聴いて、青山とかその辺のパンピーは住めないエリアに車持ちで暮らし、何らかの淑女とチョメチョメして射(自主規制)、独身貴族謳歌しているあの世界観は定期的に摂取したくなる。大学生後半という、その先に大きな「社会」なるものが広がり、真の意味でのオトナの仲間入り手前の年頃には、麻薬的な読み物であった。ついには卒業旅行にも持って行ったりする始末。やれやれ。

 

社会人になるとそんなハルキライフは当然控えておらず、23区進出の喜びと高騰というか沸騰だろ的なトウキョウシティーの家賃相場への愕然もへて、ワンルームに暮らし、仕事に忙殺される日々。覚えること勉強すべきことに埋もれて「物語の世界に没入!」なんて時間はなくなってしまう。

そして不思議なことに、それから数年して仕事のコツ感ツボ感を見出し時間的にも精神的にもゆとりが出てきた時分には、なんだか小説というものに昔ほど気乗りしなくなっていた自分がいた。大学時代には遠くにあった「社会」なるものに実際に身を置き、くたっと「現実」が寄りかかるようになってから、小説に対して何らか「あくまでこれは小説・フィクション」という感覚を抱くようになってしまった……。今は昔の青春小説然り、ファンタジーじみたミステリー然り、なんと実社会を舞台にしたヒューマン小説に対してすらちょっとその気を感じるようになってしまった。

 

この点、エッセイの舞台はまごうことなき「現実」である。

現実世界における珍事をエキサイティングに描写することもあれば、何でもない出来事に筆者の色眼鏡や感情司り機構が媒介して独自の着眼・気付き・言葉回しでアウトプットされることもあるこのジャンルは、さながら「小説」に対し気乗りしなくなった理由がそのまま反転して水を得たかのようで、めでたくマイブーム認定、というわけなのだろう。

今はいわゆる「メディアに出ている人々」のカジュアルなエッセイばかりを読んでいるが、自身がとても立ち会うことの出来ない世界線を、個性豊かなタレント視点で実況中継なり思い出話なりされる感覚はとても楽しい。皆さんおすすめのエッセイあれば教えて下さい!

 

******

 

こうしてエッセイを読むようになってから、おこがましながら自分も昔ブログという形で自身の目で見て感じたことを発信していたことが思い出され、冬季オリンピック見てたらゲレンデにいきたくなった的なプロを見てウズウズする素人という感じに、またやってみるかーということで今回のブログ開設に至ったわけである。

 

 

 

さて。ここに大きな埋めがたき飛躍がある。

 

 

 

私がハマっているエッセイは、入り口として書き手が既に著名である。

例えば星野源さんなら、星野源ファンというものがいて、それは音楽なり演劇なりから入ってきていて、一定の既存のファンクラスターなるものが間違いなくあって、それをベースとして星野源のエッセイが書かれ読まれ、というプロセスが一般的。

「ファン→文」という矢印であって、「文→ファン」になるというのはあまりメジャーな想定ではないと思うのです、なくはないと思うけれど。

私の場合、ダ・ヴィンチにおいては、長濱ねるさんだ!!!!というファーストリアクションからの実際のエッセイを読み出し、その知性溢れかつ柔らかな文体に一層、長濱ねるさんヒャィア!!!!!とはなったものの、始まりはあくまで、長濱ねるさんだ!!!!!!!!!!なのである。うるせぇな(錦鯉)。

 

翻ってこのブログは完全なるパンピーの匿名ブログ。もうね、ぜんっぜん肩並べるとかじゃないの。比べること自体がそもそもおかしいの。月とすっぽん、や、すっぽん鍋。

 

ただ、願くば、「文→ファン」という逆が実るよう、とんでもないことではあるがこれを少しでも実現できるよう、ゆるっと頑張って続けていこうと思います。

 

 

 

……や、そんなとんでもない領域は頭のすみのすみのすみのお道具箱の中にでも置いておき、

「定期的に何かを書くことが自身の気分転換になる」、これくらいの温度感が良いのかも。

ともかく、エッセイブームの帰結として、思い切りよく船出したこのブログ、これからも徒然していこうと思いますー。

中目黒の蔦屋書店で『ナカメグロォォ』した話

17時に仕事終了@中目黒。定時終了。

 

というわけでせっかくなので中目に住んでる友達とご飯でもいこーって誘ってみたところ、

その日は在宅日ではなく出社していたようで帰りは20時くらいになりそう、ってなり

じゃあ待っとくわとなり、微妙な時間ができてしまった。

 

どうやってつぶそうかなーと歩いていたら、ありました。

わたし的「入ろうとおもったこと幾何度、ただなんだかんだ入るに至っていなかった」やつのぶっちぎり、

中目黒駅高架下の!!!!!

蔦屋書店!!!!!

 

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なっ……なんだよ、高架下に書店……スタバも入ってるよ………ふえぇ………電車乗ろ……

 

ってなってたとこ。

 

なんとなく、「スタバ飲みながら本読める場所」的なざっくりした理解だったので

これは時間つぶしスポットまったなしやんけということでいざ入店したら

なんかもう憧れの『トーキョーシティ』全開だったし『ナカメグロォォ』だった。(以後、『ナカメグロォォ』という表現を多用しますが言いたいことのニュアンスは何となく察してください。なんとなくわかると思います。)

 

 

蔦屋書店中目黒のスゴイところ ①エリアの構造

本屋さんて、「フロア」でジャンルが分かれること多いと思うんですよ。2階が参考書、3階が漫画、とか。

あと、おんなじフロア内でもなんとなくで分かれますよね。何丁目何番地みたいな感じで。

 

ここは高架下の平地のなかにおいて、空間が複数分かれた設計になっててなんかもうオシャ。

 

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物理的に店舗が平ベースで分かれていて各々が独立し、それぞれのハコに異なるテーマの本が並んでてなんかもうなにそれオシャ。

ちなみに一番奥の、ポケモンでいうところのダンジョン最深部・ルギアとかいるあの空間にMHL控えててオシャ死にした。オシャのエアロブラスト。

大した事ないことかもなんだけど、その次元からオシャを感じさせる、これぞ『ナカメグロォォ』。

 

 

蔦屋書店中目黒のスゴイところ ②本のジャンル

なんていうか、棟ごとに分かれている本の「ジャンル」、そのジャンル自体もハイソ。ほんと『ナカメグロォォ』感。

 

あるエリアはぜーんぶ建築関係で埋め尽くされてる。中目の人ってみんな自分で家設計してんの?リトル安藤忠雄の集積地?

 

またあるエリアは財テク、近場には自己啓発・労テクみたいなエリア。経済をまわしたるという気概を感じる、これもまさに『ナカメグロォォ』。

 

あといわゆる「教・養・本!」的な書店版Eテレ的スペースとか、

美と健康にあふれた書店版山賀琴子さん的スペースとか(ファン)。

 

ここには選ばれしジャンルの本のみが置かれている。置かれる「権利」を有している。

せせこましたお仕事の実務本とかチャート式とかコロコロコミックとかトリビアの泉へぇの本とか死んでも置いてない。陳列した時点で多分自動で砂になって目黒川に流れる。

 

で、個人的に一番こころ鷲掴みされたのが、ある棟の入り口近くにある「厳選文庫本」コーナー的な卓上棚。

なんかもう、ほんと、『ナカメグロォォ』って感じ。

文庫本エリアがこことは別にもあるなかで、レジ前の棚にわざわざ厳選されていたのが、

 

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なんだろう。。。こう、なんだろう。この厳選された本の『ナカメグロォォ』感。「待ち合わせの時に彼ピに読んでてほしい文学作品ランキング」トップ100総ナメしてる並び。

 

や、あれよ?単に、単に日本世界の普及の名作の揃っている棚っていえばそれまでよ?でもよ?例えば名作は名作なんだけど、いわゆる夏イチ!の時とかに出てくる限定カバー版で勢ぞろいしていたりするの。

なんだろうこの、棚自体からむんっむんに醸し出てる『ナカメグロォォ』感!

炭治郎だったら「ぐうぅ…!!!な、なんんだこの匂いは…!!強烈な『ナカメグロォォ』臭で……し、正気を保てない……!!!!」的なことになってる。

 

ほんとなんだこれ……もはや棚ごと買いたい。。。飾るだけ飾って本自体一切読まないスタンスでもなんかいけちゃいそう。。。「うちさ、いい感じの本棚あるんだけど見に来ない?」って臆面もなくジョシ誘えるわ。。。

 

 

蔦屋書店中目黒のスゴイ所③ 鬼滅を推さない

さっき炭治郎登場しましたが、これ書いている今(2020年12月)現在、世の中は鬼滅一色なんですよね。

猫も杓子も鬼滅コラボしててそのうちリアルに鬼湧いて出てきそうな世界。

 

蔦屋書店にも漫画の棚があり、そしてそこにあったんすよ、きめつが。4巻が。あとは大ヒットしてる無限列車編のノベライズとかが。

 

ただ、すんんんんんんんんんんんんんごく普通に陳列されてた。びっくりするくらい推してないの。世の中ほど心を燃やしていないの。そんなのどこ吹く風の呼吸なの。無限シカト編なの。棚のはじーーーーの方で静かにしてるの。義勇さんなの、凪なの?????

 

 

満を持して

そんな、私の知っているこれまでの、なんか顔2つあるな的な、多分カオナシと遠い親戚だよな的なロゴでおなじみのTSUTAYA感は1ミクロンとてない、オシャ空間・世界観。かっこいいTOKYO、憧れのトーキョーを濃縮還元してぶち込まれた感覚に、浮足立ちムーンウォーク状態だったんだけど、そんなときに目に留まったんすよ。あの雑誌が。そう。『POPEYE』。

 

やばい。。。。中目黒駅高架下トーキョーイケてるスポットど真ん中オブど真ん中で。。。ポパイ。。。シティボーイのバイブル(という認識)。。。ポパイが。。。まさに目の前に。。。

 

恐る恐る手に取って。。。。。。。立ち読みしてみる。。。。。。。。。。

 

 

立ち読みしてる。。。。。。。。。。

 

俺。。。。。

ポパイ。。。。。。。

立ち読みしてる。。。。。。。。

中目黒で。。。。。。。。。

俺。。。。。

 

 

おれぇぇぇぇぇぇぇ

はぁああああナカメグロォォォォォォォォォォォ(自主規制)

 

ほんとに自分のやっていることに高揚して身体から湯気出てほうれん草食べたときのポパイになった。

 

 

滞在権獲得作戦

そんな『ナカメグロォォ』かつポパイでPOPYEEEEEEEEってなっているときに例の待ち人からのLINE、

「ごめんもうちょい遅くなる」。

 

ええええええもう駄目だよぉ、書店ふらっとしてる人にしては滞在が長すぎてるよぉぉポパイ3周目とかいくよぉぉぉ

 

そんな長時間立ち読みは『ナカメグロォォ』で許されるはずもない。

この街の流儀に何一つ沿わない(イメージ)。多分じき目黒川に沈められる。

 

と、いうわけで、この場所に居させてもらう手段はただ一つ、「お買い上げ」である。

 

さて。。。。

今手にしているこのポパイ、そのままお買い上げしてすぐ横でコーヒー買えば店内のいたるところにあるソファなり椅子なりで引け目なく読むことはできる。できるけど。。。まてよ。。。。POPEYE買ったとして。。。

 

 

書店担当さん(ぶっ、さっき身体から湯気出してたあいつ、まさかのお買い上げかよ…ミーハー感全開だよ…うける…そのままスタバに流れたらまじ受ける…)

 

バリスタさん(えっwwwwちょ、このオドオドしながらポパイ主張してメニュー見てる人なんなの…シティボーイ気取り乙すぎるよテンプレ通りかよ「前期課程必修科目シティボーイ入門」受講生かよ…テキスト見せつけてくんなよ…コールドブリューにして浴びとけよ身体から湯g

 

ってなったらいやだよねぁぁぁぁあああああああああああ!!!!!!

ばれるよね!?!?シティボーイ「になりたい」人なんだなって一瞬でばれるよね!?!?!?!?

ぽぱいは!!!!蔦屋書店で!!!!!ぽぱいと!!!!!!スタバは!!!!!!

 

 

…ここは、なんというか、俺からも『ナカメグロォォ』を仕掛けに行かなければ…

というわけで悩みに悩んで以下を選抜しました、

 

 

『グレートギャツビー(訳:村上春樹)』

 

やれやれ。

 

あと1冊だとちょっと心許ないので副将として

 

『ジキルとハイド』

 

いや…完璧だろ。

全部例の「いい感じ棚」から招致。完璧だろ。

さっそうとレジへ。

 

 

書店担当さん「Tカードお持ちですか?」

のぼせポパイ「………大丈夫です」

 

なぜかTカードをあえて出さないという謎のスカシをツタヤ本拠地でかます訳分からん振る舞いを経て本を買い、それからスターバックスラテを買いました。こっちではTカード出しました。

 

  

蔦屋書店の人、人、人

さてそんな『ナカメグロォォ』感のジャンクション、上京民ポパイ立ち読み爆死事件の跡地となった蔦屋書店ですが

お店がお店なら集う人も集う人でこれまた『ナカメグロォォ』だった。

 

1 彼女の呼び方が博識な男性

滞在権を得て私が座った席の正面にカップルが腰かけた。

女性「なんか最近疲れ目なんだよねー」

男性「きみ、スマホ依存だもんね」

 

き、KIMIIIIIIIII!?!?

すげぇ。。。蔦屋書店にそぐう人って彼女のこと「君」っていうんだ。。。知らなかったよ。。。ポパイにもそんなこと書いてなかったよ。。。

この人『らいおんハート』のサビめちゃナチュラルに歌えるじゃん。。。

俺なんか卵黄以外でこの言葉使ったことないよ。。。それは嘘だけど。。。。

 

2 なんらかのアドバイザーと顧客のペア

この組み合わせ4組くらいみた。駅前英会話とか駅前ライフプランナーとか、もうまさに知の宝庫。たしかに蔦屋書店待ち合わせでそういう啓発すると効果4倍くらいになりそう。

 

3 トゲトゲバックの淑女

ハイブランドとかであるじゃないですか、一周回った奇抜なやつ。私のような凡人には理解できないやつ。

ハイブランドだから好き勝手させた結果こんな尖ったものができましたって何なら物理的にトガッてますやかましいわ!的なバッグ持ってる人が来店。モヤッとボール下げてます的な。

不思議なもので、そういうバックを持っている人、蔦屋書店で見るととってもサマになったんですよね。逆にTPOわきまえてます感というか。これがファッションと文化の最先端TOKYOなのか。。。とがってるなぁ。。。

まぁ、すれ違ったときトゲが当たってすごくモヤッとしたんですが。。。

 

4 高校生

ここにチャート式はねぇんだよおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

5 投資の話するバリスタ

僕が『グレートギャツビー』と『ジキルとハイド』とレシートを少年のように握りしめながら(特にレシートはしっかりみえるように握りしめながら)ラテを注文した後、バーカウンターから出てくるまでの時間で、バリスタさん同士がさらっと投資の話してるの。もうなんかかっこよすぎ!!!コーヒー豆も優良株も違いのわかる人たちなのね…!!!もはやザイテクフラペチーノとかできそうだよね!!!は?

 

 

なんか、この空間にいるだけでどんどん自分のなかの「シティボーイポイント」が貯まっていく気がしてならない。。。場の力、人の力!!!シティボーイマイレージクラブとかあったら多分台湾あたりまでは飛べてる。

 

 

そんなことを夢想していた結果、滞在権獲得のために買った本を6ページほど読んだ頃合いで友達が中目黒着してそのまま安居酒屋に流れて下世話に飲みました。

さっきまで『ナカメグロォォ』ってすまし顔してた私だったのに安居酒屋でビールキメてるの、もうなんかほんとジキルとハイドでした。